えんじゅ

クワイヤと歩んで

礼拝のための練習

 カゴンガ村にある小さな教会のクワイヤ(聖歌隊)と出会ったのは、2年前にザンビアに来て間もないころだった。
 日曜日の礼拝のために、輪になって歌の練習をしている風景がいいなぁと思って、何度か練習を見学させてもらった。農作業を終えた人、野菜売りを終えた人、大工仕事を終えた人、家具工場の仕事を終えた人、学校の授業を終えた人。車椅子の人、盲の人も、みんなが輪になって歌っていた。
 練習に見に通っているうちにいろいろと話を聞いて、カゴンガは政府が作った障害者の村だということ、彼らが歌っている歌はゴスペルと呼ばれていることを知った。
 
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アフリカの女性たちと

クリスマス・キャロル

 「先生、今夜のクリスマス・キャロル、絶対聴きにきてね。カメラも忘れずに持ってきて。みんなで最後の記念写真撮るんだから」

 終業式のとき、2年間教えてきた生徒の1人、ムウェトーワが声をかけてくれた。


 ザンビアでの教員生活最後の学期が終わった。
 全寮制のうちの学校では、生徒は定期試験を終えるとようやく実家に帰ることができる。終業式でもその後のミサでも、生徒たちの顔は開放感でいっぱいだった。そんな生徒の顔を見るのもこれが最後だなぁ、と眺めながら、ふと思い出したことがあった。
 
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新年のご挨拶と帰国のご報告

ロジの少女

 新年あけましておめでとうございます。
 ザンビアで2度目の新年を迎えました。小さな静かな村ですが、今日はあちらこちらから讃美歌が聞こえてきます。

 昨年はアフリカの黒人文化の中で暮らし、発見と驚きに満ちた1年間でした。マラリアには感染したものの、なんとか無事に1年間を過ごすことができたのも、皆様のご支援のおかげです。ありがとうございました。
 本年も変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 青年海外協力隊の任期満了にあたり、1月9日にザンビアを出国し、10日に日本に帰国します。しばらく東京で研修がありますが、その後はゆっくりと帰国のご挨拶に伺いたいと思っています。

 本年も皆様にとって新しい出会いにあふれた1年でありますように。

2014年1月1日 鷲野浩之

ピリピリ・ホッホ

ピリピリ・ホッホ

 ずいぶん前のことだけど、畑にピーマンの種を植えた。
 ザンビアではピーマンはわりとポピュラーな野菜で、こまかく刻んでタマネギやトマトと一緒に煮込んでソースにして、ウブワリ(シマ)につけて食べる。
 メイズの種と同じように、せっかく自分の畑に植えるのだから在来種が欲しかった。どこかにピーマンの種を採り続けている人がいないかと思って、いろんな人に聞いてみた。すると同じ教会に通っているムンタリおばさんがピーマンの種を持っていた。農家のムンタリおばさんは、僕が飼っている地鶏をはじめに分けてくれたおばさんだ。
 
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Dance on Beat

ローダ

 ザンビアの音楽は、もちろん教会で歌うゴスペルや讃美歌だけじゃない。アフリカの力強いリズムをベースにしたダンス・ミュージックも、めちゃくちゃかっこいい。どこかでダンス・ミュージックが流れ始めると、ビートに合わせて大人も子どももみんな腰を振って踊る。踊る時に腰にチテンゲ(ザンビアの布)を巻くのは、きっと腰の動きを目立たせるための伝統なのだろう。
 歌に合わせて踊っている瞬間は誰もが幸せそうに笑っている。歌と踊りが血に脈々と流れているようなザンビアの音楽文化が僕は大好きだし、悔しいくらいうらやましい。
 
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